9月5日。大学時代親友同士だったファルハーンとラージューは、同窓のチャトルから母校へ呼び出される。その日は10年前、ファルハーンらのもう1人の親友であるランチョーと、チャトルが「10年後の今日に母校へ戻り、どちらがより成功したかを見せ合う」という賭けをした日付だった。しかしランチョーの姿はない。ランチョーは大学卒業以来消息を絶っていた。チャトルは、ランチョーがシムラにいると告白。3人は車へ乗り、シムラを目指す。 10年前、インド屈指の難関工科大学ICE(Imperial College of Engineering)。カメラマンを夢見ながらもエンジニアになるよう強要され生きてきたファルハーン、恐怖心から祈りを欠かせないラージュー、探究心旺盛で強い信念を持つランチョー、3人はルームメイトとなる。反骨心の強いランチョーは理不尽な上級生や、教師、学校を支配するヴィールー学長にすら与せず、自らの座右の銘「All is well.」\”うまーくいーく\”と唱え、思うままに世間の常識に反抗した。ある時、ランチョーと同類と目される4年生のジョイ・ロボが首吊り自殺を果たした。苛烈な競争を強いる大学の教育方針を苦に、その競争から降りたのだった。ヴィールー学長が求めるのは、通知表に記される成績や、就職率、順位など、社会が成功と呼ぶものばかりだった。「学問」ではなく「点の取り方」を教える教育へ、ランチョーは疑問を覚え、真向から対立する。ファルハーンへとラージューはそんなランチョーに引き寄せられ何をするにも3人でいた。対してヴィールーはファルハーンとラージューをランチョーと決別させるために策を講じるが、あえなく失敗し、3人の絆は確固たるものへ変化する。 ランチョーに引き寄せられるのは2人だけではなかった。学内で雑務をこなす少年マンモーハン、ヴィールーの娘で医者を志すピアも、ランチョーの浮世離れした姿勢に触発される。 1年の成績が発表される。ファルハーンとラージューはワースト1位と2位、対してランチョーはチャトルを抑えて1位を獲得した。その後行われた集合写真撮影の途中、ランチョーとヴィールーは「ファルハーンかラージューが就職するか否か」を賭ける。 シムラのランチョーの家へ訪れた一行だったが、そこにいたのはランチョーと名乗る別の人物だった。部屋に飾られた写真は紛れもなく10年前に撮影されたものだったが、ランチョーの位置にはその男が座っていた。